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-SHORT STORY- 「宵闇の時計」

◆ユグサミ。"3day" -SHORT STORY-◆





ショートストーリー第五弾
レジー短編「宵闇の時計」を実装しました。
所要時間は約1時間のショートストーリー。

なお、すでに公開している「竜宮」「妖狐」「マダラウイルス」「サンベリーを探しに」もプレイ可能です。


<更新情報>
2019/05/22 ver5.0公開(宵闇の時計シナリオ実装)
2019/03/24 ver4.2公開(不具合修正)
2019/03/22 ver4.1公開(不具合修正)
2019/03/20 ver4.0公開(サンベリーを探しにシナリオ実装)
2016/11/02 ver3.0公開(マダラウイルスシナリオ実装・不具合修正)
2016/03/12 ver2.1公開(誤字訂正のみ)
2016/03/11 ver2.0公開(妖狐シナリオ実装)
2015/11/19 ver1.0公開(竜宮シナリオ実装)



■ ユグサミ。"3day"-SHORT STORY- ver5.0のダウンロード

1.左上にあるダウンロードボタンをクリックします。
2.ダウンロードしたzipファイルを解凍します。
3.中にあるGame.exeファイルでゲームを開始します。

※ユグサミ。をプレイしたことある人向けの内容ですので、プレイしたことない人は先にそちらをどうぞ。



是非プレイしてみてください。

不具合などを発見された方は下記フォームまで連絡をください。ぜひ。

ゲームクリア時も連絡を頂けると幸せです。

■ ユグサミ。連絡板







それでは、しまうま。
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-SHORT STORY- 「サンベリーを探しに」

◆ユグサミ。"3day" -SHORT STORY-◆





ショートストーリー第四弾
アスティ短編「サンベリーを探しに」を実装しました。
所要時間は約1時間のショートストーリー。

なお、すでに公開している「竜宮」「妖狐」マダラウイルス」もプレイ可能です。


<更新情報>
2019/03/24 ver4.2公開(不具合修正)
2019/03/22 ver4.1公開(不具合修正)
2019/03/20 ver4.0公開(サンベリーを探しにシナリオ実装)
2016/11/02 ver3.0公開(マダラウイルスシナリオ実装・妖狐シナリオのモンスター図鑑修正)
2016/03/12 ver2.1公開(誤字訂正のみ)
2016/03/11 ver2.0公開(妖狐シナリオ実装)
2015/11/19 ver1.0公開(竜宮シナリオ実装)



■ ユグサミ。"3day"-SHORT STORY- ver4.2のダウンロード

1.左上にあるダウンロードボタンをクリックします。
2.ダウンロードしたzipファイルを解凍します。
3.中にあるGame.exeファイルでゲームを開始します。

※ユグサミ。をプレイしたことある人向けの内容ですので、プレイしたことない人は先にそちらをどうぞ。



是非プレイしてみてください。

不具合などを発見された方は下記フォームまで連絡をください。ぜひ。

ゲームクリア時も連絡を頂けると幸せです。

■ ユグサミ。連絡板







それでは、しまうま。
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ユグサミ。"3day"

ユグサミ。"3day" 公開!!

ygsm3dt.png


■ ユグサミ。"3day" ver1.3 アップデート


ユグサミ。"3day"における下記不具合を修正しました。

◆納骨堂のギミックが正常に作動しない
 →正常に作動するよう修正しました。

◆時計塔から脱出できなくなる
 →時計の挙動を変更しました。

◆通行不可であるべき場所が通行可能になっている
 →通行不可に修正しました。

◆誤字脱字・グラフィック誤りがある
 →修正しました。


■ ユグサミ。"3day" ver1.2 アップデート


ユグサミ。"3day"における下記不具合を修正しました。

◆レイスのイベント、モリネルタワーのイベントが繰り返し発生してしまう
 →正常にイベントが終了するよう修正しました。

◆モリネルタワー攻略後、アイテム「帰還の巻物」が正常に作動しない
 →ダンジョン判定漏れです。修正しました。

◆フォーリン望楼のボス戦時にゲームが強制終了してしまう
 →原因だと思われる点を修正しましたが、違う要因で起きるかもしれません。

◆誤字脱字がある
 →修正しました。


■ ユグサミ。"3day" ver1.1 アップデート


ユグサミ。"3day"における下記不具合を修正しました。

◆レイスでのイベントがうまく作動せず進行不可となる
 →ジェムの判定がうまく作動していませんでした。
   正常動作するよう修正しました。

◆特定のシーンで見られるリンのスキルについて、適切ではないスキルを習得している
 →完全に忘れていました。
   適切ではないスキルの習得は削除しました。
   (ver1.0のセーブデータを引き継いだ際は、そのまま覚えている状態です)

◆誤字脱字がある
 →修正しました。



■ セーブデータの移行について


ユグサミ。"3day"の以前のセーブデータは、↓の画像の方法で引き継ぐことができます。

save.png





■ ユグサミ。"3day"とは?


前作のユグサミ。は夢だった?!
病と闘う主人公クロックの"3day"の物語。
前作ユグサミ。の続編です。

割とふんわりしたロールプレイングゲーム。



■ どうすればプレイできる?


1.ユグサミ。"3day" ver1.3のダウンロードページを開きます。
2.開いたページの左上にあるダウンロードボタンをクリックします
3.ダウンロードしたzipファイルを解凍します。
4.Game.exeファイルでゲームを開始します。



不具合報告やクリア報告など、ブログコメントに書き込みしていただけると幸いです。
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ユグサミ。"3day"

ただいま製作中....



■ 紹介動画その1




■ 登場人物





▼前作で要望の多かった意見を取り入れてます。
・町移動やダンジョン脱出できるものが欲しい
  →ダンジョン脱出アイテムを実装します。また、町移動NPCも配置予定です。
・エンカウントを下げて欲しい
  →エンカウントを少し下げています。
・ミニマップが欲しい
  →フィールドマップのみ、マップを作ります。(ミニマップじゃないけど)
・難易度が低い
  →主にボスキャラを強くしています。
・BGMがうるさい
  →ほぼ全ての音量を90%にしています。
・バグをちゃんと取り除いて欲しい
  →デバッガー募集中です。
・ゴールドが余って装備が楽に手に入ってしまう
  →ゴールドの調整に力を入れています。


▼こんな変更点もあります。
・魔法書システムの廃止(一部あるかも)
・主人公以外の名前変更不可
・敵からの不意打ち廃止
・HPを回復する復活系アイテムの実装
・反撃系スキルの向上
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― 終章.癒しの聖樹の下で ―

 海の神殿、その地下部分に全員が転送されても尚、ゲートが閉じきらないせいか空間がぴりり…と震えて不安定に感じられ、従って皆、より確実な安心を求めて広い静かな空間をひたすらに走り続けた。…漸く足を止めたのは、もう神殿入口に近い、あの「秘宝を以て扉を開いた」地点の、魔法力の橋を渡りきった所。ここまでくれば安全だろうと言う安堵感も手伝ってか、流石に全員が疲れ果てた様子で、その場にへたり込んでしまった。
「…ん。あれ見ろよ、扉が勝手に閉まってくぜ?」
 やっと息が整った頃、スバノンが背後の異変に気付く。見ればその言葉通り、神殿内部へ…即ち異界へと続く廊下、その道を封じる扉が何の作用でか閉じて行き……そして音を立てて完全に閉ざされた。
 同時に、秘宝で生み出した魔法力の橋が、まるで虹が消えていく時の様にその姿を虚ろにしていく。見る間に影さえなくなって、神殿は完全に、元の静かな、何の為に佇んでいるのかが謎な状態へと還っていった。
 ――― これで……あの人の眠る空間へは、もう二度と行けなくなったと言う事か。
 何となく、全員が言葉も発せずに封じられた扉の方を見ていると…。
「…おっ、エルフィンちゃん!」
「えっ? ― お兄ちゃん…どうしてここに?」
「いや~、さすがにちょっと心配になっちゃってね。で…どうだったの?魔王は倒せた?」
 急に、入口へ向かう階段の方から聞こえてきた声に驚かされる。見れば、アスティの「お兄様」たるネコ耳青年が、言葉の割にのんびりと近づいてくるところだった。
「ああ、バッチリだぜっ。なかなか強敵だったが…」
「そうか……それは、よかった」
「――― ん。戻ってきたのか?」
 既に普段の調子を取り戻して、スバノンが告げるとリンさんもにっこり笑う。そのリンさんの背後に、新たな人影が2つ、浮き上がった。
「げ。なんでお前までいるんだ、レジー」
「どーでもいいだろ。で、どうだって?」
「魔王を倒したんだって」
「へえ……でかいこと、してくれんじゃん」
「お前のためじゃねーよ…」
 途端に眉をしかめたスバノンはスルーで、リンさんとレジーさんでの会話が進む。…この2人、知り合いだったのか。あまり一緒に歩きそうな印象のない組み合わせだが…尤もトワイライトで出逢ってはいたのだったか。それだけにしては仲が良いが、何かしらの波長でも合ったのだろうか。
 何だか疲れた様に、レジーさんの簡素な称賛を肩を落として聞いているスバノンの隣では、ブルーさんと今1つの人影とが声を掛け合っている。
「あれ…ラーンさんも、なんでここに?」
「えへへ~。レジーちゃんがここに来たいって言うから、手伝ってあげたの」
「あんた…塔の管理は一体、どうなってんの…」
「ほぇ?…そ、それはほら~、アリアンの魔法陣の管理人さんがこっちも見てくれてるからぁ~」
「―…本っ当に、言葉もないよ…」
「あ、あははは~」
 こちらはこちらで、何だか楽しそう…いや、疲れていそうだ。まあ、スバノン相手の時と違い、ラーンさんとの掛け合いは、見ている方は何か癒されて良いかも知れない…当人達には言えないが。
「て言うか、レジーさんとラーンさんって、お知り合いだったんだ?」
「まあ、ちょっとな」
「え~、ちょっとじゃないでしょお~。あの時だってあ~んなに…」
「おい、余計なこと言うな」
「んー…聞きたい気もするけど、やめとこ…」
「だいじょうぶ~。あとで教えてあげるよアスティちゃん~」
「…だから余計なこと言うな」
「それにしても、みんな良くこんなとこまで来たね。どうやって来たの?」
 アスティとラーンさんだと、こう言ってはなんだが、聞いている方は脱力感が4~5割増しになる気がする…寝惚け状態でない分、アスティはましか。
 そこへ、レディアさんが「そういえば聞きたい疑問」の筆頭を、遅ればせながら投げかけた。確かに不思議だ……幾らラーンさんがいると言え、転送魔法陣もないこの地には、移動は容易でない筈だが。と言うか、容易ならそもそも魔王が、ここへ閉じこもろうとはすまい。
「ははは。それがね、船を貸してもらえたんだ」
「…誰に?そんな気前のいい人がいたんだ?」
「シュトラの酒場で知り合った男の人がね、ボルティッシュ行の船を手配してくれてさ」
「…えらい強引だったけどな」
「あはは。まあ、お酒の勢い…でもないか、あれは……とにかく、そんなわけさ」
 リンさんとレジーさんの答えに、レディアさんは首を傾げていたが。ユグドからずっと旅をしてきて、シュトラでも事件を解決してきた初期メンバーには思い当たる節があった。
「シュトラ…酒場…あー、あの人か」
「おお、あの酒豪か!さっすが金持ちだな、船まで手配できるのか」
 そう。パスポートの代金で困っている際に仕事をくれた、あの人だろう。どうやら強引なだけではなく、実際それなりの町の顔役なのかもしれない。ボルティッシュ行の船といえば、ビガプール王の勅命で運行を禁じられていた筈で、それを動かせると言うのは中々のものだから。
「さて…いつまでも、ここで話してたってしょうがない。とりあえず帰ろうか」
 リンさんの提案に、皆も頷く。異界は閉じられ、空間は既に安定してはいるだろうが……そうは言っても決して、長居したい場所ではない。
「そうだね。行き先は…みんなでユグドかな?リンちゃんちに、お世話になろっか」
「そうだな。みんなで帰ろうか、ユグドに…」
 レディアさんとスバノンが真っ先に決定案を出し、そして ――― 間もなく、全員が2艘の船で海の神殿を後にした。恐らく、もう来る事もないだろう神殿は…まるでこの船達を見送っているかの様に、何故かいつまで経っても視界から消える事がなかった…。

─…‥・‥…─…‥・‥…─…‥・‥…─

 少々、寒気を感じて目を開ける。
 不自然な体勢で寝ていたせいか、首が少し痛い……どうやらテーブルに突っ伏したまま、数刻ほど寝入っていたらしい。周囲は既に、宵闇に閉ざされていた。
「お、起きたね。エルフィンちゃん」
 そんな声が、上からかかる。身体を起こし座り直して見直せば、レディアさんが小さな灯りの下、古文書らしき本を読んでいた。
「もう夜だよ。て、まぁ見れば判るか。レジーさんとラーンさんはもう寝ちゃった。ブルーさんも、そこで潰れちゃってる」
 ―…潰れて?
 言われた方を見れば、なるほどブルーさんが、床にめり込むかの姿勢で爆睡していた。…せめて肌かけ位持ってきてあげる人はいなかったのだろうか……まぁ風邪をひく季節でもないが。
 そもそも、自分からして何故に、テーブルで寝ていたのだったか…事の経緯を思い出してみる。
 確かリンさんが、今日は宿屋を貸切だと言いつつ仲間全員を食堂に誘って…初めは皆で、あの戦いの話を聞かれるままに語っていて。その内、ブルン国王の船を返しに行かないととか、秘宝もあるべき場所へ還した方が良いだろうとか、いわば今後の相談みたいになっていた。
そこまではいいのだが…その後確か、アスティ達のお母さんが色々料理を運んでくれて…いつの間にか宴会状態に縺れ込んでいた様な。レジーさんやリンさんレディアさんはともかく、アスティに至るまでがワインとか飲んでいたりした様な……自分も恐らく、それが寝落ちの原因か。
「レジーさんとラーンさんは明日帰るんだって。ブルーさんも多分、数日内にはスマグに帰るんじゃないかな?ここに残りたそうな顔もしてたけど…ま、リンちゃんがいる内は安住出来なそうだし。それに、魔法使いは結局、スマグに住む方が何かと便利だからね」
 本に集中しているのかと思ったら、語るでもない風にレディアさんが教えてくれる。
「私も…明日か明後日には、アリアンに帰ろうかな」
 そうか……魔王を倒す、それはこの旅の終わりをも意味していたのだった。目的が達成された今、仲間達はそれぞれの在るべき場所へと帰っていく。当たり前の事だったのに、どうして今まで思い至らなかったのだろう。何だかずっと…ずっと皆、一緒に居られる様な気になっていた。
「――― 大丈夫だよ、エルフィンちゃん。残るものもちゃんと、ある」
 気持ちが沈んで、それと共に下がっていたらしい視線をあげると、レディアさんがいつになく優しい笑顔でこちらをじっと見据えていた。
「たとえ皆がそれぞれの場所に戻っても、結ばれた“絆”は消えない。たとえ一生の内からすれば、ほんの瞬きほどの時間だったとしても、この冒険は何より密度の濃い“時”だった。その時の中で育まれたものが消えるなんて、ない事だから。そして……だからこそ、それがエルフィンちゃんを支える力になる」
 …?何故、私限定なのだろう。疑問が目に出たのか、それに応える様にレディアさんが笑った。と、次の瞬間には普段の、いや普段以上の生真面目な表情に戻る。
「……忘れる事は無理でも、思い出には出来るから。相手が故人であれば、意外と楽に思い出として“想いを薄める”事は出来る。相手が生きてると中々、難しいものだけどね ――― 途中で苦しい時があっても、仲間の思いがきっとエルフィンちゃんを助けるよ。だから、皆を…忘れないでいて。エルフィンちゃんは、あのエガオンとは違うんだから」
 ―…日頃が結構手厳しい人だけに、それはかなり胸に優しく響く言葉だった。知らず目が潤みかけたが……ふと、何か奇妙な、違和感めいたものを感じて彼女を見返す。
 相手が生きていると難しい ―――― そう言った時、ほんの一瞬、その瞳が揺らいだ気がした。どうして…何か心当たりでも……考え、そして或いは思い当たったかもしれない、その時。
「スバノンとアスティちゃんは、外にいるみたいだよ。もしエルフィンちゃんが起きたら、来てほしい様なこと言ってたっけ。行ってあげると喜ぶよ、きっと」
 絶妙なタイミングで、そう言うと再び、レディアさんは手元の古文書を読む態勢に入ってしまった。…まあ、あまり問い質す様な話でもあるまい。ここは静かに立ち去る事にして、彼女に助言へのお礼だけを簡単に述べ、席を離れる。…未だ爆睡中のブルーさんは、動かすのは難しいのでひとまず、ローブを上にかけてあげた…。



「お、エルフィンちゃん起きたんだ。アスティ達はまだ、外にいるみたいだよ」
 食堂から宿屋の外へと続く廊下を歩いていると、先程ちらりと思い浮かべた顔がそう言って微笑んでいた。軽く挨拶して、すれ違おうとすると…その手が私の手を取り、握手よりは力を込めた感じに握ってくる。
「エルフィンちゃん……アスティの面倒見てくれてありがとう。エルフィンちゃんのおかげで…アスティは強くなったよ。本当に」
 そう言うリンさんの顔は、いつもの茫洋とした雰囲気はなく、言葉以上に真剣な感謝が篭った感じだった。猫の様に光る瞳が、いつにない真面目な色を湛えてそこにある。
「今度は、きっとアスティがエルフィンちゃんを支えるよ。力とか言葉じゃない、ただ傍にいる…その事でね。それはスバノンや、他の仲間も同じ事さ。……まぁ、僕はたぶん役に立たないけどね」
 最後だけは、おどけた調子だったけれど。今までで一番真面目な様子で語るリンさんは、どこまで事情を知っているかは謎だけれど、それでも的確に元気づけてくれた。
「僕はまた旅に出ようかな。…常に何かを調べて世界を回る、それが僕に向いてるんだよね。だから、誰かを支えるには向いてないんだけど。でも君達の事、応援はしてるからね、いつでも」
 あはは、と笑ってそう続けた後、恐らく自室へ戻るのだろう、階段へと向かう背中を見て思った。…なるほど、この人が相手では気苦労は絶えないだろうな……と。でもいずれ、調査の旅の中にでも何か進展があれば良い。今はそっと、そう祈っておく事にした。



「あっ。エルフィン~起きたんだね。エルフィンも、こっちおいで」
 宿屋の庭先、ほぼ路地に出る辺りに、月明かりに照らされた人影がふたつあった。その内の片方が先に気づいて、声をかけてくる。その声音は確かに成長を示していて、ほんの少し前までの“甘えモード”に移行しそうな気配は全く感じられなかった。
「おー、やっと起きたか。ま、疲れてるだろうし仕方ないけど…今夜は月が綺麗だぞ」
「こうして3人で夜に話すのって……何だか懐かしい感じだね」
「そうだな…思えば、あの日の夜が始まりだった。まさか魔王を倒すだとか、そんなところまで発展するなんてなぁ」
 並び立った所へ、スバノンも加わりそんな会話が交わされる。2人と視線の向きを合わせると、清らかな月光の下、村の象徴である大木の影がここからでもはっきり見えた。
「ほんと…でも、良かった。いろんな人たちと巡り合えた。いろんな事を知って、いろんな経験もできた。あの日の事があって、こんな冒険につながったんだよね」
「ああ…中にはレジーみたいな訳わからないのも、いたけどな。全く、人のこと心配するならするで、もうちょい素直になれんのかアイツは」
「あはは……前よりマシだと思うよ、あれでも」
「ちょっとくらいは、な。…そのレジーと、ラーンさんも明日には帰るらしいぜ。ブルーもスマグに帰るような事言ってたな…」
「みたいだね。…きっと、レディアさんも帰っちゃうんじゃないかな」
「かもな…」
 弾んでいた会話が、ふと静まる。多分2人も…先程の私と似た様な心境になったのかもしれない。
 かといって……何か言葉をかけようにも、上手いそれが見つからず困っていると。スバノンが急に5,6歩駆けだし、勢い良く片手で天を突いた。
「―…俺は!」
「!? ど、どうしたのスバノン」
「俺は……この旅のこと。絶対に忘れないぜっ」
 くるりと振り向き、宣言する顔はいつもの彼で。およそ感傷めいたものの欠片もない、けれど簡素な言葉の中に沢山の「何か」が詰まっているのが良く解った。
「スバノン…そうだね……私も。私も忘れない!!」
 遊んでいる最中のような元気な声で、アスティも同意する。そのまま私へと目を向けると……何かを確認するかの瞳で、訊ねてきた。
「ね。エルフィンも……そうだよね?」
 ――― 確かに、忘れ得よう筈がない。
 本当に、色々な事があった。その中で、様々な事を学んだ。もし旅に出ていなかったら、こんなにも苦しく、哀しい事があるなどと知る事は無かったろう。…そしてまた、こんなにも愛しく、嬉しい繋がりがあるのだと言う事も。
 一度、気持ちを整理する様に目を閉じる。――――― きっと今抱える『傷』は、薄らぎはしても消え去る事はないのだろう。でも、自分には……沢山の、『癒し』となるものが、ある。
 ふと、伝説の勇者の事を想う。魔王をして「過去最強」と言わしめ、事実たった一人であの悪魔を倒した英雄。けれど…誰より強く築いた“絆”が、その身を滅ぼしてしまった青年を。
 自分は……きっと今でも、弱い。だけど、自分には多くの友が、故郷が、あの優しい聖樹が…常に傍に。心の中に、ある。それらはきっと伝説の勇者のものとは違った、強き力となるだろう。
 目を開ければ、いつもの笑顔がふたつ。返事は決まってるだろ?と言いたげに、ただにこやかに、そこにあって。
 私もまた、笑顔になって口を開いた。――― きっと今、自分は今までで一番、綺麗な微笑を浮かべている事だろう。



「―…もちろん。」








紡がれた言葉 はにかんだ笑顔
甘ったるい 午後の眠りのように
求めても 足りないの
満足できない もう十分なはずなのに

そっと静かに旅立つ 白銀の小舟に
哀しい涙は 乗っていなかった
掴めない つきかげに
憧れたままの あたしを残して

臆病な手の平 そっと重ね
あなたの腕の中 逝けるのなら
たとえ何を 失ったとしても…

こんなにも ねぇ
愛していること 分かっていたなら
その時は もっと
『大切』が あふれていたはずなのに


舟によせる風波 まばゆい月に
照らされた 2つの横顔さえ
夜明けを拒み このままでと
互いに願った あの時は確かに

紺碧の鏡が 映す未来
迎えるはずだった 幸福の日々
今ではただの 虚夢でしかなく…

こんなにも ねぇ
苦しい気持ち 感じていたなら
この場所で ずっと
『虚しさ』に 触れないでいられたのに


その手 その眼 その仕草
あなたしかいないと 思い込んでいた
いばらが2人 引き裂いても
すぐに癒して 歩き出せたら…

海面に 映された満月
豊潤を描いてる
手を伸ばせば 伸ばすほど遠のく
焦がれた あたしを残して


あの頃に還して ねぇ
たった2人 寄り添った時間(とき)
胸の奥に ぎゅっと繋ぎ止めて
決して 離さないよ

決して 忘れないよ…



『銀の小舟』
音楽素材サイト:魔王魂より


~ The End ~
Thank you for reading their story.

プロフィール

すばの

Author :すばの
ゲーム作成中。

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ユグサミ。